祈りは心のトリートメント

いよいよ今度こそほんとうに、部屋を片付けたくてたまらなくなってきた。部屋にあるものをほとんど全て捨てて、捨てられないものは実家に送りつけて、この物置にしかなってないスチールベッドも捨てて、がらっと広々とした殺風景な部屋にしたい。昨日引っ越してきたばかりのような、誰の匂いも残っていないような部屋にしたい。そうすれば、今の心の状態にすごくしっくりきて落ち着くような気がする。今の部屋は物に溢れていて、その中に埋もれていると落ち着くのだけれど、かき集めてきた物にそうやって甘やかされているばかりではいけないような気がしてきたんだ。

そうやって部屋ががらんどうになったら、壁にポストカードラックをひとつ掛けようと思う。そしてそのラックを、自分で撮った写真で少しずつ埋めてゆこうと思う。ラックの空きが埋まるに連れて、俺の心も広がってゆけばいい、と思う。今は灰色しかない俺の記憶も、そうすれば、色鮮やかなまま残していられるかもしれない、という、願望。ほんのささやかな願いでしょう?