ほどけた時間はゆるやかに流れ

休みの日の朝にゆっくり朝ごはんを食べるのが好きだなあと思った。

仕事がある日の朝は、たとえ早起きしていて時間に余裕があっても、この後に仕事だと思うと心が安まらない。というか、その週の仕事が始まる月曜の朝からその週の仕事が終わる週末の夜まで、心はずっと緊張しっぱなしだ。日曜の夜は、次の日から始まる仕事に備えてもう心が緊張し始める。休みの日の朝に目覚めたときは、まだ少し緊張が残っている。目覚めて、今日が休みであることを再確認して、そこでやっと、ばさっとほどける。そして、シャワーを浴びてさっぱりした後に、ゆっくり時間をかけて食べる朝ごはんが美味しい。

まあ、実際食べてるものは店で買ってきた出来合いの惣菜とかインスタントみそ汁とかなんですけどな。だけどあんまり寂しいと感じないのは、ほどけた心に温かさが流れ込んでそれでいっぱいになって、そのときには他の全てのことが抜け去って、時間が美味しさだけで満たされているから、だろうなあ、と思った。

炭が溶けたみたいなインスタントコーヒーの苦味でさえも。