No one is on my side though it is natural

今いちばん何よりも欲しいものは、恋人でも親友でもなくて、味方だ、と気づいた。俺の味方は誰もいない。全ての人間は敵だと思った。優しかったり、励ましてくれたり、手助けしてくれたり、気がつくと、そんなふうにされた記憶があまり、ない。だから生きるのが辛いのか。と思った。自分で望んだことだとは言え。俺は全てを拒みながらここまで来て、そしてもう何処にも行くところがない。手を伸ばしたら避けられるのがわかっているから、俺は手を伸ばしたりしない。心を開いた瞬間に、ぶん殴られるのが怖いのだ。心なんか開かない、まま、ポケットに手なんか突っ込んだまま、伏し目がちなまま、味方になってくれるひとが、居て欲しい。たくさんのひとたちの見えない支えがあって今生きていられるってことはわかってて、だからたくさんの見えない感謝をいつも世界に返してるつもりだけど、俺は、今このとき俺を支えてくれる確かな手が、欲しい。俺を引きずり上げてくれる、俺の肩を叩いてくれる、俺の顔に触れてくれる、確かな、手が。でも今、俺の味方は、いない、俺は、手を、伸ばせずに、何も言えずに、何処へも行けずに、立ち尽くしたまま、俺は自分の手で、自分の頬を撫で、自分の肩を抱き、自分の身体を強く抱き締める。俺の味方は、もう、俺しか、いない、今。