幻もしくは掴めないものの残像

碌でもない日々が続く。あけまして、おめでとう、ございます、無意味な言葉が3つ並んでも0×0×0=0、それより他に言いたいことは無いのかい、しかし大事なのは鳴き声、その音高と音色、リズムとスピード、沢山の口から浴びせられる呪文は僕の周りをループしてループして、まるで今が特別な時間かのようにさせる。けれど別に何かが起こるわけでもない。ただ世界中の大多数の人々が、今日は目出度いという認識を共有しようとするだけ。認識がループしてループして、誰もがその暗い天空に浮かびあがった光の輪を見つめ、ただ年の数が1増えただけのことを確認して、安心して、眠るのだ。けれど誰も他人の心なんてわからない。眠るための安心もしくは眠りを得るために僕は君に挨拶をするだろう。碌でもない日々は続く。