すくえないよ 幾つも

between YOU and ME

between YOU and ME

1曲目「SADISTIC AURORA SHOW」の歌詞はこちら


これはひみつですがシャカラビッツが結構好きです。

シャカラビジュディマリに似てるとかいうひとがたまにいますがジュディマリ大好きの俺が聴く限り全然似てません。本人たちに似せようという気があるとも思えません。強いて言うならボーカルのUKIの声や歌い方やキャラがYUKIに似てるというかカブってるところがあると感じられるかもしれませんが、たぶんそれはもともと本人がそうだからで、そしてそれはUKI本人も気づいているようで、カブらないように敢えてわざわざ歌い方をアレンジしているように聴こえる部分が歌の中に見受けられたりします。まあ俺の気のせいかもしれないけど。

あと、俺の場合、自分(ら)で詞も曲も書いて演奏もするひと(たち)の「おれ(ら)これ思いついたんだけどちょういいと思うんだけどどうよ?」ってのが好きなわけで、ひょっとしたらそういうのをクリエィティビティと言うのかもしれないけれど、だからなんかこう“あたくしアーティストざます”然とされていても詞も曲も演奏もアレンジも他人任せだったりすると、もうそういう視点では見れないというか、「うたわされてるひと」として見てしまうので、それはそれで変型アイドルを見る感じみたいな、また違う楽しみ方になってしまうのであります。シャカラビについて言うと、そういう意味では全くもって前者。自分らが好きなものをきちんと打ち出せてると思う。その分でひょっとしたらYUKIっぽい成分が出てしまったのかもしれないけれど、それは決して殊更に責められるような部分ではないと思います。まあ、好きなことを優先しすぎるために、完成度的には食い足りない部分も多いのですが、そこもまた魅力。

もひとつ言うと、UKIとYUKIが決定的に違うと俺が思う部分がありまして、それは、YUKIは常に現状より少し背伸びした理想のイメージを創作に落とし込むひとであるのに対して、UKIは常に現状で手に入れている範囲内のイメージを創作に描き込むひとだということです。YUKIは狙ってるけどUKIは天然と言うか。俺はそう感じています。本人らのキャラは似たように見えるので、その相違点に実は背景としての年代差がくっきりと表れているのではないか、と思ったり。ハングリーさの方向性の違いと言うか。


それはそれとしてこのマキシなわけですが、3曲入っていながら曲名がシングルタイトルになっていないタイプのマキシとなっていて、まあシャカラビは割とそういうことするほうだとは言え、今回の場合はやはり、タイトル曲にできるほどのキャッチーなパワーに溢れた曲が出せなかったのであろうと思われる感じでした。3曲それぞれが、それぞれの感じを好きなひとにとってはちょう名曲だと思えるような出来ではあるのですが、世間様を大向こうに回して「こいつがわれわれのシングル曲でござい!」と胸を張れるような外向きのパワーはどの曲にもないかなあ、って感じで。まあ俺は3曲とも好きなんですけどな。

そんでまあ、3曲のうちで俺がいちばん好きなのが、1曲目の「SADISTIC AURORA SHOW」なわけですが。歌詞を見てもらってもわかってもらえるかどうかわかんないなあと思いながら書こうとしてますが、この歌詞のざんばら感がたまんなくいいんですよ。言葉がブロック単位にばらっばらに置かれてるように見えて、『きみとぼくが見つめ合っている』という一瞬の情景と心象を完璧に描き出していると思うのです。ぼくにとってきみという光景はサディスティックオーロラショウだと言うわけです。サビの英語を勝手に自分なりの日本語に訳してみると、「ひどいよ! 抱き締めて依りかからせてよ。きみの愛に包まれて閉じ込められていたいんだ。オーロラみたいに圧倒的にぼくを傷つける愛情。」みたいな感じかなあと。なのにそうさせてくれない、みたいな、サディスティックに鮮やかなきみという存在。